蕣居
蕣居
この建築の構想は、咲き始めたアサガオの蕾です。アサガオの蕾は花びらに包まれた雌しべがセンサーとり、太陽の光を受けるとねじれがほどけて開いていく。
この建築においても朝の光に反応して空間が明けていき、生活が始まるストーリーを考えた。
建物のポイント
地上に現れる花びらは厚さ16㎜の鉄板をガスタンクを作る際に用いる、熱を加えない冷圧法によるプレスで曲面加工を行った。
半開きの花びらのドーム構造は、構造家の佐々木睦朗氏との共同により導き出した「クロープン・ドーム(クロープン=クローズド・アンド・オープン)」と言う考え方により成立している。この考え方は、後に原広司氏設計の札幌ドーム(200mスパン)にも応用される。
当時は、フェリックス・キャンデラの研究を行っていた時でもありコンクリート・シェルで花びらを作る案もあったがスタディを重ねるうちに選択肢から外れていった。実際にキャンデラ氏にも色々な助言を戴いた。
外壁の仕上は、構造をストレートに表現する為、溶融亜鉛メッキのみで仕上られ、内部は厚み6㎜の桐の板を張っている。
曲面の外壁は、最大2.7m×10mあり、メッキする際は工場の他のラインを一旦休止し、メッキの模様が揃うよう入槽から引き揚げまで全て同じ角度となるよう細心の注意を払い行われた。また、桐材は色・肌合いが統一されるよう、原木の伐採エリアの指定からアク抜き、製材、加工に至る、全ての工程を管理し進められた。
(※1999年建築学会作品賞 最終選考作品)
- 設計監理:
- 齋藤裕建築研究所(担当 齋藤裕、岡松利彦)
- 構造設計:
- 佐々木睦朗構造計画研究所(担当 佐々木睦朗、池田昌弘)
- 設 備:
- 齋藤裕建築研究所(担当 齋藤裕、岡松利彦)
- 電 気:
- 菅原電気事務所(担当 菅原正人)
- 施 工:
- 葛工務店
- 所在地 :
- 東京都新宿区
- 主用途 :
- 専用住宅+アトリエ
- 敷地面積:
- 88.44㎡
- 建築面積:
- 58.30㎡
- 延床面積:
- 199.93㎡
- 構造規模:
- 鉄筋コンクリート造+鉄骨造 地下2階・地上2階
- 設計期間:
- 1991年3月~1995年12月
- 工事期間:
- 1996年1月~1997年9月

















